クラスター弾に関する条約(CCM)

令和6年9月10日
【条約の概要】
 クラスター弾に関する条約(Convention on Cluster Munitions:CCM)は、クラスター弾による人道上の問題に対処するため、クラスター弾の使用・開発・生産・取得・貯蔵・保有・移譲等の禁止貯蔵弾の廃棄クラスター弾の被害者に対する援助及び国際的な協力枠組みの構築などを規定している。
 CCMは、当初特定通常兵器使用禁止制限条約(Convention on Certain Conventional Weapons:CCW)の枠組みでの交渉開始が提案されたが決定に至らなかった。このためノルウェーを始めとする有志国が、2007年にCCWの枠組み外での国際会議を開催し、クラスター弾を禁止する国際約束を2008年中に策定することなどを盛り込んだオスロ宣言を採択した。この宣言に端を発するオスロ・プロセスにより作成された条約案は、2008年5月にダブリン会議(アイルランド)で採択され、同年12月にオスロ(ノルウェー)で署名式が行われた。
 CCMは、2010年2月16日に発効に必要な30番目の批准書等の寄託が行われたことを受け、同年8月1日に発効した。2024年1月末現在、締約国数は112か国・地域。
 日本は、国内における条約の履行体制を確保するため「クラスター弾の製造の禁止及び所持の禁止に関する法律」を制定した上で、2009年7月にCCMを締結した。
 「クラスター弾に関する条約」の詳細はこちら
 
※クラスター弾とは、一般的に、多量の子弾を入れた大型の容器が空中で開かれて、子弾が広範囲に散布される仕組みの爆弾及び砲弾等のことをいう。1個の弾薬の爆発力を分散し、通常の弾薬にはできないような広範囲に効果を及ぼすことができる反面、不発弾となる確率が高く、文民にも被害を及ぼすことから人道上の問題が指摘されている。

【最近の動き】
(1)年次締約国会議
 2022年8月30日から9月2日に開催された第10回年次締約国会議では、同年2月24日のロシアによる ウクライナ侵攻を受け、ロシア及びウクライナ不在(両国は未締約国)の中で議論が進められ、ウクライナでのクラスター弾使用という文言が最終報告書に反映された。
   2023年9月11日から14日に開催された第11回締約国会議では、一部の国が米国のウクライナへのクラスター弾供与につき提起した他、複数の締約国における条約第3条に規定された貯蔵弾薬の廃棄完了が確認された。
 なお、条約第3条の履行は、2023年12月15日のペルーにおける廃棄をもって全締約国が完了している。
 
(2)日本の取組
 地雷同様、クラスター弾の被害を受けた国の多くは開発途上国であり、被害国のみの力で除去・被害者支援等の義務を十分に履行することが困難な場合がある。
 これまで日本は、本条約に基づき、クラスター弾等の不発弾に汚染された地域・国に対して不発弾の除去及び被害者の支援を実施している。2023年には、地雷・不発弾(クラスター以外の不発弾も含む)対策に対する支援として約5,700万ドルを拠出した。

(3)我が国のステートメント
2024年 9月10日  「
クラスター弾に関する条約」第12回締約国会議における市川大使ステートメント

2023年 9月11日  クラスター弾に関する条約第11回締約国会議におけるステートメント(小笠原大使)

2022年 8月30日  クラスター弾に関する条約第10回締約国会議におけるステートメント(小笠原大使)

2022年 5月17日  クラスター弾に関する条約会期間会合における国際協力支援ステートメント(小笠原大使)

2021年 9月21日 クラスター弾に関する条約第2回検討会議パート2におけるステートメント(小笠原大使)

2020年11月26日   クラスター弾に関する条約第2回検討会議パート1における国際協力支援ステートメント(小笠原大使)

2020年11月25日   クラスター弾に関する条約第2回検討会議パート1における条約普遍化ステートメント(小笠原大使)

2012年 9月11日 クラスター弾に関する条約第3回締約国会合におけるステートメント(天野大使)

2010年11月09日 クラスター弾に関する条約第1回締約国会議 ステートメント(徳永政務官)