(仮訳)

 

議長、

 

我が代表団は、カバクチュラン議長の強い指導力が今次運用検討会議を成功に導いたことを高く評価します。また、各主要委員会及び補助機関の議長並びに事務局の多大なる貢献に感謝致します。

 

今次会議は、多くの問題で大きな困難に直面しました。各国代表団は、本会合及び主要委員会でその立場を表明しかつ強力に交渉しましたが、条約の3つの柱に関する歴史的な行動計画に合意するために、最後には最大限の柔軟性を示しました。

 

昨年4月のオバマ大統領のプラハ演説に端を発する米国による多くのイニシアティブによって、この結果に至る長い道のりへの極めて重要な貢献がなされました。また、新START条約署名のような核兵器国によってとられた具体的な措置もまた大きく貢献しました。

 

3つのすべての柱における行動計画の合意は、これまで成し遂げられなかったことです。こうした合意は、我々を核兵器のない世界へより近づかせるものです。特に今次会議は、アクション5の下で、核兵器国が早急に多くの具体的措置に関与することともに、実際にとった措置を2014年準備委員会に報告することに合意しました。そして、2015年運用検討会議で、次なる措置を検討することとなりました。また、不可逆性及び検証可能性とともに、透明性を核軍縮の原則の一つとして合意しました。透明性は、核軍縮を更に進展させるために最も重要な条件であります。したがって、米国及び英国が今次会議の期間中に核兵器の総数について情報を開示したことに示されるように、ほとんどの核兵器国が核兵器を透明な形で削減していくことは高く評価されます。

 

また、今次会議は、可能な限り早急に追加議定書を未だ締結していない各国に締結を促し、同議定書の可及的速やかな発効に合意しました。さらに、会議は、原子力開発に際する保障措置、核セキュリティー及び核セーフティーの重要性について合意しました。

 

同時に、行動計画は我々の期待を完全に満たすものではないことに触れなければなりません。たとえば、非核兵器国による多くのかつ差し迫った要請にもかかわらず、核分裂性物質生産に関するモラトリアムの継続及び宣言の重要性は、最終文書では言及されませんでした。核分裂性物質生産モラトリアム及び核実験のモラトリアムは、その双方ともがさらなる核軍縮にとって欠くべからざるものであり、世界規模で実現されるべきものであります。

 

皆様恐らくご承知のとおり、約百名の広島・長崎からの被爆者を含む数千人の方々が日本からやって来て、核兵器の完全廃絶という願いを実現するために、我々外交官がどのような結果をもたらすか多大な関心を持って注意深く見守っていました。この観点から、今回の成果は、現時点で最大限達成可能なものに近いものですが、必ずしも満足のいくものではなかったと言わざるを得ません。

 

しかし、この会議は、特に2005年会議と比べると、全体的に大きな成功をおさめました。2000年会議と比べても多くの進展がありました。今、この成果を手に、我々は皆動きだし、合意した内容を誠実に実施しなければなりません。そして、5年後に再び大きな意気込みでここに帰ってきましょう。この議場にいる我々に再びチャンスが与えられれば、より大きな成果を達成できると確信しています。